親族・友人・知人とごく少数の人によんでもらいたい本は発行部数は多くて50部
あればいいので、そんなときは、手製本で費用は安く、しかも贅沢につくる。こうして生まれたのがこの本です。
『つなぐ「夢」のたすき』
A6判 本文 リンクステッチ 153p
作・河島憲代
挿画・瀬下洋子
あらすじ
それは、一九六四年の東京オリンピックで、日本選手の大活躍する姿に感動した、当時、西浦小学校の教師だった大川先生が「子どもたちに夢と、活力を」と、駅伝大会を開いたのがきっかけだった。それ以来、毎年一度もとぎれることなくたすきをつなぎ続けている。
修平は、小さい頃から、家の前を走りぬけていく小学生の駅伝選手を応援していた。入学してからは、家族や、町の人たちの声援の中で走った。なかよしの大地は、修平の一番のライバル。そして、ふたりは、未来のオリンピックをめざして走る夢をふくらませていた。
ところが、大地が突然、
「修平、お前、オリンピック選手になって金メダルをとれよ。おれには、できそうもない…夢を捨てた」
と、いってきた。実は、修平には黙っていたが、大地は、家族とともに日本を離れ、ドイツに移り住まなければならない事情があった。
そのようなとき、みかん農家の修平の家に、東京オリンピックにつながる歴史があることを知る。そのことをより深く知りたいと、修平は、大地を誘って旅をする。
その旅の中で、すてきな出会いがふたりを待っていた。一度はあきらめたオリンピックの夢が、再び大地の心に芽生える。そして、ふたりの友情を再確認する駅伝大会の日が。
先生も、子どもたちも、町の人たちも一つになって開かれた駅伝大会で、修平と大地は、富士山に見守られながら、それぞれのチームのアンカーとして疾走する。