vnorioの手製本

手製本の世界を紹介していきます

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

手作りの手道具(1)

手製本作業に欠かせない道具、既成のものはかなり高価なので自作する。 中村圭吾が作った手機械(プレス機) バッケ板を挟んで固定させて、直角に倒して背の作業をする。 中村圭吾が作った固定台 本体を固定させて背の処理をする。 糸が通る部分をのきごりで…

詩集つくり(2) 日夏耿之介の「久遠偶像」ー心の郷土ー

瀬下洋子の久遠偶像 一1折り中綴じー 難解な詩を言葉で理解しようとするとわからないので投げ出してしまう。耿之介の詩はその最たるものかもしれない。 しかし彼の詩に溢れるイメージを自分のイメージに同調させて絵として表現することはできる。瀬下さんは…

詩集つくり

数年前から「近代詩鑑賞講座」で、10数人の受講生の方と各自でテキストを作って、それを使って詩を鑑賞するという講座を開いている。本文は開きの良いパピヨンかがりで綴じる。見返しの紙、表紙の紙、題簽の紙はそれぞれ数種類用意して、みなさんでレイアウ…

工房のぞき

むかし、ヨーロッパを観光旅行したとき、どこかでこんな看板がかかっている製本工房を覗いてみたいなと思ったが、そう簡単に見付かるものではなかった。いまだにその夢は持っている。 四つ目綴じのメモ帳

ひとこと コツのようなもの

(気がついたことをランダムに挙げています。追加していきます) 手製本作業には、共通したコツのようなものがあります。 ○ 糊を塗るときのコツ。すばやく、丁寧に。塗り残しは塗った面を斜めから見るとわかる。 ○ 同じ所を何回も塗ると、しわが出来る原因と…

段ボールで作った本

瀬下洋子の自著自装本『夜』 糸綴じ 段ボールにはいろいろな可能性がある。

手製本ノート各種

フランス装ノート 鈴木幸恵さんの版画「爐辺燗日」 まず、はじめにこのタイトルをいただいて、手帖のかたちが決まった。爐端で、ゆっくりと燗酒を飲みながら書き綴るノート。ほんとに取るに足らないよしなしごとが行を無視してのたくっている。本文はざらつ…

フランス装のノート

フランス装は、本来は仮の装丁で、いずれは本格的な造本にするための仮の表装という意味なんだそうだけど、どうしてどうして、隠れた部分の精密な心遣いとシンプルでありながらセンスに満ちた美しい表紙が多い。それがフランスの文化でもあるかのように。フ…

本の修理(1) 『FLORENCE』

むかし、ブリュッセルの古書店で修理する目的で壊れかけた本をいくつか買った。 糸綴じを習っていたので、本文を解体して糸をはずしてあらたにリンクステッチという綴じ方で縫い直した。 見返しは交換、この本は表紙はきれいだったのでなんとかそのまま残し…

マーブル染め 瀬下洋子の『絵本やまなし』

綴じ 形式 マーブルについて

折り本仕立ての絵本 瀬下洋子作『ねずみのネッシー』

孔版印刷。 ものがたり

折り本仕立ての詩集

宮澤賢治の詩集『春と修羅』に収められている「小岩井農場」は詩としては日本で一番長いと言われている。盛岡駅から農場まで、てくてく歩きながら実際の風景やそれに触発された心象風景を見たままに、心に浮かんだままに記述している。実際に音楽を聴きなが…

綴葉装『おふじさん』

10年前のこと。 富士山麓の御殿場南高の卒業生で、小山町立図書館の館長Tさんから電話が来た。「昔の授業を再現しませんか。卒業生や近隣の方にもお声をかけます。1時間でテキストを作って、後半の1時間でそのテキストを使って授業をするというのはどうで…

診察券入れ

この8.5×5.5㎝の増え続けるカード、キャッシュカード、診察券、免許証、新登場のマイナンバーカードなどなど、これをいつでも使えるように整理しておく「カード入れ」がないものか。 ブックカバーを改良してカード入れを作ってみた。 材料は地券紙と布、糊は…

無線綴じ

スズセイ印刷の鈴木孝次朗さんの無線綴じ