2000年からフランス西部のアンジェで
ルリュールの工房を持ち、21年に帰国後、金沢で「書架の周辺」というギャラリーを開いておられる清宮伸子さんをお訪ねした。しばし
ルリュールの世界を味わった。日本では
ルリュールが育たないのは、明治期に洋書が伝わったとき、本を完成した形に仕上げて出版されるイギリス風のの本が中心で、本はまず仮とじの状態で出版され、手にした人が製本工房等の職人に依頼して
上製本に仕上げてもらうというフランスの出版文化が後れてやってきたことが大きな理由なのかもしれないというお話には深く同感しました。