貯まった絵はがきを無線綴じという方法で一冊にまとめた。
この綴じ方は年賀状をまとめるときにも役立つ。
この絵はがき帖を作って、しばらくして50年前の単身スペイン各地を歩きまわった友人からもらった絵はがきが出てきた。
「トレドは古さを感じさせる町です。人通りも少なく日本人をジロジロ見ます。グレコの家にも行きました。日本人がたった一人の見学で気分よかった。説明してくれたのですが何にも解りません。でも、雰囲気が見る人を沈黙させるようです。
結局どこへ行っても同じですね。マドリードからトレドへ行く道は、広い野にオリーブの並木は冬の陽射しに銀色に光っているといったような光景です。
外国にくれば外国らしいですが、それは日本は日本らしいのと同じです。一度来てみたかったスペインも、これで気が済みました。僕はやっぱり奈良や京都へいったときの方が、歴史とか人間の怨念を感じます。これは一度来てみなかったら決してわからない気持ちですよね。
言葉が通じないのは一人前じゃないみたい。言葉の有り難さが改めてわかりました。
「細雪」を持参して読みました。外人が谷崎さんの世界がわからないと思えばいい気味です。 Ｔ・Ｍ 1972.12.18 」
