vnorioの手製本

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私家本『雲の信号』

賢治の詩のことば ー『雲の信号』ー
賢治の詩の中から、「あなたの気に入った詩句を選んだ小さな本を作ってください」という依頼を受けたのは平成25年の今ごろだった。ご自分で選んだほうがいいのでは」と言ったら、「ちょっと、時間が取れなくて。それにどこを切り取っても賢治さんの息吹とかリズムがあるので、お任せします」と言われた。そういうお仕事であるのはわかっていたので、自分の好きな「詩のことば」を切り採って、作業着のポケットに入るような1折り中綴じの小さな本を作ってさしあげた。自分用にもう1冊作った。
 賢治の詩はいつ読んでも慰安を運んできていくれる。そのことについて、彼とはなしたこともある。「いろいろなことがあるけど、それはさておいたまま、宇宙や自然の現象のなかに連れて行ってくれて、そこでかかえているいろいろなことを取捨してくれるから、気分が解放されるのかもしれない」という彼のことばが印象に残っている、
 
 
 
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