vnorioの手製本

手製本の世界を紹介していきます

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『瀬下洋子銅版画集』

知里幸恵さんが残した『アイヌ神謡集』に深く心動かされた著者瀬下洋子がそのうちの一篇「銀の滴降る降るまわりに」に自らの銅版画で迫った渾身の銅版画集 限定出版 19×26㎝の大判 リンクステッチ 本文:白老紙(150kg) 32p 表紙:ミューズコットン紙(90kg) …

プレス機

平素は工房の隅にあって、いざというときに頼りになるプレス機です。

みつまたの花

散歩していて、道ばたでみつまたの花が咲いているのを見かけた。 そうだ、もう2月の中旬になるんだ。 そして思いは「紙作り」をしていた遠い昔に飛んでいった。 そして自分はなんで好きこのんで「紙の本」を作っているのかに帰ってきた。

文鎮

手製本作業には文鎮が重要な道具です。 下列 左から 賢治石500g 文化700g 石版850g 鹿革920g ライカ1kg 上段 左から 龍 1.3kg 旋盤1.5kg 旋盤1.8kg ブロック4.5kg レール6.0kg 鹿革文鎮を常用していますが、必要に応じて重くしたりします。レール文鎮は片手…

革表紙のノート 

作者 瀬下洋子 本文 A6判 無線綴じ 丸背 書籍洋紙

本の修理(3)

現役で使っている辞典。本文はきれいだったので、表紙だけつけ替えた。 明治の漢和字典『康煕字典』 本文の糸綴じからすべて作り替えた思い出の作品。 それなりの古書価格がつくのですが、私が直すと一文の価値もなくなりますよと念を押して修理しました。 …

私家本『銀河鉄道の夜』

試みに、あの宇宙観を表現したくて文庫本を作ってみた。 いじりすぎて、読みにくくなってしまったかもしれない。

絵はがき帖

貯まった絵はがきを無線綴じという方法で一冊にまとめた。 この綴じ方は年賀状をまとめるときにも役立つ。 この絵はがき帖を作って、しばらくして50年前の単身スペイン各地を歩きまわった友人からもらった絵はがきが出てきた。 「トレドは古さを感じさせる町…

ギャラリー「書架の周辺」を訪ねる 2023.10.23

ルリュール 2000年からフランス西部のアンジェでルリュールの工房を持ち、21年に帰国後、金沢で「書架の周辺」というギャラリーを開いておられる清宮伸子さんをお訪ねした。しばしルリュールの世界を味わった。日本ではルリュールが育たないのは、明治期に洋…

辞書の修理 『大字典』(2)四方帙

これからも楽しんで使っていただくために、筐を作ることにした。 四方帙(しほうちつ) ことばたちが遊んでる。 本体を乗せた。 本体にカバーをかけた。 完成です。

辞書の修理 『大字典』(1)

修理道具の数々 昭和8年に発行された漢和辞典の修理です。 表紙はぼろぼろ、新しく作り直します。本文の糸綴じはまだ大丈夫。 本文のページのハガレを直します。 糸綴じが怪しくなっている部分は補強。 破れている所は補充し、色鉛筆で塗り周囲と同化させる…

紙の目

紙の目紙を透かしてみると一定方向に細かい繊維が流れているのがわかります。 長い辺に平行して繊維が流れている紙を<たて目>または<T目>の紙と言い、寸法を788×1091mmと小さい数字を先に表記します。 短い辺に沿って平行に繊維が流れている紙を<よこ…

手製本の針と糸

手製本では真っ直ぐな針と曲がった(曲げた)針を使います。 左は普通の縫い針、真ん中が製本針 左はその製本針を曲げた針 製本針は針先を鋭利にしてありません。余計なところを刺すことがないので便利です。 もちろん縫い針でもかまいません。 曲げた針は卓…

糸綴じ(2)リンクステッチ 

西洋の糸綴じの方法で、ここではかがり台を使わない方法を紹介します。 曲がった針一本を使います。 4枚一組の束を綴じていきます。 1図 土台となる2束を綴じます。下の束の左端の孔の外から中に入れて隣の孔から外に出し、上の束のすぐ上の孔に入れて隣の…

糸綴じ(1)綴葉装綴じ(パピヨンかがり)

この綴じ方は和綴じの一つである綴葉装綴じを応用したもので、開きが良いことが特徴となっている。 <準備> 針を6本(そのうち2本は曲がった針)用意します。 真っ直ぐな針は2本一組で糸の両端に針をつけておきます。 本文は4枚を重ねて半分に折ったものを1…

糸の結び方

手製本では、糸を針穴より小さいコブでむすび、一重で綴じていく。洋綴じのリンステッチでも和綴じの四つ目じでもすべてこの方法で結んでおく。 長い方の糸(写真では上)を短い方の糸(写真では下)で1回まわして結び 短い方の糸を引っ張って結ぶ。 長い方…

「OTOMONOTE」

「OTOMONOTE」(お供ノート) 外出のお供に、旅のお供に、スケジュール帖のお供に 7.3×10.8㎝(A7判)文庫本の横半分 厚さ 7mm布装ハードカバー 本文は書籍洋紙(70kg) 80p 6㎜罫線と罫線無しの2種類 価格 300円 販売 小さな文屋 カニカクニ堂

手作りの道具(2) A7用 かがり台

木箱を使ったかがり台 折り ➜ 糸かがり ➜ 糊付け をこの道具で。 折り重ねたときの折りのずれを防ぐためにきっちりしたサイズに収める。 紙のサイズにあわせたかがり台 A5 A6 A7 B5 B6 を工作する必要がある。 A7用。下に糊が付かないためにカッターマットを…

『お菓子な物語』

食べたお菓子の貼雑帖 作った人 ー余川千津子 A6判(文庫本の大きさ) 丸背無線綴じ 表紙はジーンズ布 これで1年分。3年で1冊完成 無線綴じでも頑丈。しかしノートはどんどん膨れていく。 貼雑(はりまぜ)の醍醐味! 記録を読むのも楽しい。 台湾へ行…

四方縁麻葉紋様方形綴帖

作者ー中村圭吾 本文は15×15㎝四方の書籍洋紙 コデクス装 縁の紋様は和綴じの伝統的な綴じ方の一つである麻の葉綴じ